不動産売却時に実施する「インスペクション」とは？費用についても解説

建物は築年数の経過とともに劣化していくため、所有者が気付かないうちに、欠陥や不具合が生じている可能性があります。
売却後に不動産に欠陥などが見つかると、買主とのあいだでトラブルになる場合があるため、「インスペクション」を実施しておくと安心です。
そこで今回は、不動産を売却するときの「インスペクション」とはなにか、メリットやかかる費用について解説します。
伊勢原市、平塚市、厚木市、秦野市を中心に、神奈川県内全域および東京都内で不動産の売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

不動産を売却するときに実施する「インスペクション」とは

まずは、インスペクションの概要や、実施する際の流れについて解説します。

インスペクションとは

インスペクションとは、建物の劣化や欠陥の有無、修繕が必要な箇所などを調べる、住宅診断のことです。
インスペクションの実施については、国も推奨しており、2018年4月に施行された「改正宅地建物取引業法」によって、インスペクションの説明が義務化されました。
その背景には、近年の日本で社会問題となっている「空き家の増加」が挙げられます。
インスペクションを実施することで、中古住宅に対する不安が軽減され、売主と買主の双方が安心して取引できます。
つまり、インスペクションを普及し、良質な中古住宅の流通を増やすことで、空き家問題の改善を図っているのです。

検査の範囲

建物の種類や検査をおこなう業者によって異なりますが、インスペクションでは主に以下のような箇所を検査します。

• ●構造耐力上主要な部分…基礎、壁、梁、柱、小屋組、床、土台など
• ●雨水の侵入を防止する部分…屋根、壁、開口部、天井など

検査をおこなうのは、上記のような箇所の目視で確認できる範囲です。

実施する際の流れ

インスペクションを実施するタイミングは、不動産を売却する前です。
具体的には、以下のような流れで進めるのが一般的です。

• ●不動産会社と媒介契約を結ぶ
• ●インスペクションの説明・斡旋を受ける
• ●インスペクションの実施
• ●必要に応じて修繕
• ●売却活動

不動産を売却する際には、仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を結び、売却活動をおこなって買主を募ります。
媒介契約の際、不動産会社には、インスペクションの説明をおこなう義務があります。
このとき、インスペクションをおこなう業者の斡旋もおこなうため、不動産会社の紹介で業者に依頼するとスムーズです。
インスペクションの実施後、業者が検査の結果を提示します。
合格すれば安心して売却活動に進めますが、修繕が必要な箇所がある場合は、修繕してから売却活動をおこなうことをおすすめします。
修繕せず、そのまま売却することも可能です。
ただしその場合は、インスペクションで見つかった瑕疵（欠陥や不具合）を買主に告知し、買主の了承を得たうえで、売買契約を結ぶことが大切です。

▼この記事も読まれています
不動産売却の譲渡所得はどのように計算する？取得費や譲渡費用も解説！

不動産の売却前にインスペクションを実施するメリット

不動産を売却するにあたって、インスペクションを実施する場合、どのようなメリットがあるのかを知ったうえで検討したいですよね。
そこで次に、不動産を売却する前にインスペクションを実施するメリットについて解説します。

メリット1：安心して売却できる

不動産を売却する際には、「契約不適合責任」に注意が必要です。
契約不適合責任とは、不動産を売却したあと、契約内容とは異なる瑕疵が発覚した場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。
契約不適合であるとみなされると、買主から損害賠償や契約解除を求められる場合があり、大きなトラブルに発展しかねません。
インスペクションは、物件の状態を売却前に把握できるため、事前に修繕することができます。
修繕せずに売却する場合でも、瑕疵を買主に告知したうえで契約内容に盛り込むことができます。
たとえば、インスペクションで雨漏りが発覚した場合、そのことについて買主の了承を得たうえで契約書に記載すれば、契約不適合責任を問われないのです。
いずれにせよ、物件の状態を把握することで、安心して不動産を売却し、トラブル防止にも繋がります。

メリット2：買主が見つかりやすい

インスペクションを実施した物件は、それを売却活動の際にアピールできます。
買主にとっての安心材料になるため、築年数が古い物件でも買主が見つかりやすくなる点も大きなメリットです。
ただし、インスペクション実施済み物件としてアピールするためには、インスペクションを実施するだけでなく、合格することが大切です。
もし不合格となった場合は、指摘された箇所を修繕し、再度インスペクションを実施することをおすすめします。
このように、不動産を売却する前にインスペクションを実施することで、安心・安全な取引ができ、また早期売却も望めます。
ただし、インスペクションを実施するためには費用がかかるため、どれくらいかかるのかを事前に把握し、準備しておくことが大切です。

▼この記事も読まれています
不動産売却の注意点は売却理由によって異なる？3つのケースを解説！

不動産を売却するときにインスペクションを実施するとかかる費用

最後に、不動産を売却するときにインスペクションを実施すると、どれくらいの費用がかかるのか、どのような方が検査をするのかについて解説します。

インスペクションにかかる費用

インスペクションにかかる費用は、検査する建物がマンションか一戸建てかによって異なります。
マンションの場合は、約5万円が相場です。
一戸建ての場合は、以下のように建物の面積によって異なる費用設定をしているケースがほとんどです。

• ●約165㎡未満…約4万5,000円
• ●約165㎡～250㎡未満…約5万円
• ●約250㎡～500㎡未満…約6万5,000円

なお、上記の金額は、宅地建物取引業法が規定している一般的な内容を調査する場合の相場です。
インスペクションは、目視で検査できる範囲で実施するのが基本です。
売主の希望により、特殊な機器を使用したり、屋根裏などに入り込んで検査をおこなったりする場合は、オプション料金が発生します。
したがって、インスペクションを実施する際は、調査をおこなう範囲や内容を確認し、提示された費用や内訳に納得したうえで依頼することが大切です。
また一般的な調査のほかに依頼したいことがあれば、どれくらいの追加費用が発生するのかについても、事前に確認しましょう。

インスペクションを実施する検査員とは

インスペクションは、「インスペクター」が実施します。
インスペクターとは、国の登録を受けた「既存住宅状況調査技術者」のことを指し、国が登録した機関による既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士です。
前章でも解説しましたが、不動産会社では、インスペクターの斡旋もおこなっており、媒介契約締結時にインスペクションの説明をします。
インスペクションについて疑問に思う点があれば、媒介契約時に確認し、ぜひ積極的にインスペクションを実施しましょう。

▼この記事も読まれています
不動産売却での税金対策！税金の種類と計算方法・節税方法を解説

まとめ

不動産を売却するときには、インスペクションを実施して物件の状態を把握することが大切です。
インスペクションの実施は、国が推奨しており、買主が見つかりやすくなるだけでなく、売却後のトラブルを回避できるという大きなメリットがあります。
インスペクションには約5万円～7万円の費用がかかりますが、実施せずにトラブルになると賠償責任を求められる恐れがあるため、積極的に利用して安心・安全な取引を目指しましょう。
伊勢原市の不動産売却なら工場・倉庫・調整区域まで対応可能な株式会社インテリジェントにお任せください！
伊勢原市で不動産売却・買取・購入でお悩みなら、ぜひお気軽にご相談ください。
弊社では、工場、倉庫、市街化調整区域の不動産売却も対応可能です。