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相続時に受け取れる寄与分とは?5つの要件と特別寄与料も解説

相続時に受け取れる寄与分とは?5つの要件と特別寄与料も解説

この記事のハイライト
●寄与分とは亡くなった方の生前に無償で貢献した際に相続分以上の財産を受け取れる制度のこと
●寄与分として認められるためには無償で一定期間特別な貢献をしたなど5つの要件を満たす必要がある
●相続人以外の親族の方でも亡くなった方の生前に特別の寄与をしていた場合は「特別寄与料」を主張することができる

相続人のなかには、亡くなった方の生前に深く貢献したという方もおられるのではないでしょうか。
無償で貢献してきた場合、相続分以上の財産を受け取れる制度が「寄与分」です。
そこで、相続時に受け取れる寄与分とはなにか、認められる要件と特別寄与料についても解説します。
伊勢原市、平塚市、厚木市、秦野市を中心に神奈川県内全域及び東京都内で、不動産を相続する予定がある方は、ぜひ参考になさってください。

相続時に受け取ることができる寄与分とは?

相続時に受け取ることができる寄与分とは?

亡くなった方の生前に、特別に貢献した場合「寄与分」を受け取れることがあります。
ここでは、寄与分とはなにか解説していきます。

寄与分とは

寄与分とは、亡くなった方(被相続人)の財産を増やしたり維持したり特別に貢献した場合に、貢献の度合いに応じて相続分以上の財産を受け取れることをいいます。
本来であれば、民法で定められた法定相続分に従って遺産分割をおこないます。
しかし、相続人のなかには、亡くなった方に深く献身的に貢献してきたという方もおられるでしょう。
そのような方にとっては、法定相続分どおりに平等に分けることは、納得がいかないケースが少なくありません。
そこで、貢献した度合いによって多く財産を受け取れる制度が「寄与分」です。
寄与分が認められれば、相続分以上の財産をもらうことができます。
ただし、寄与分を認めてもらうためには、遺産分割協議にて相続人全員の合意を得る必要があります。

話し合いで寄与分が認められない場合はどうなる?

遺産分割協議の話し合いのなかで、寄与分を主張しても認められない場合どうなるのでしょうか。
その場合は、家庭裁判所に申し立てをおこない、調停にて解決を目指すことになります。
裁判所を通すことで、調停委員会の説得などにより話し合いが進む可能性があるでしょう。
一方で、調停手続きには長期間を要する点がデメリットです。
また、平日の昼間に調停がおこなわれるため、会社を休んで家庭裁判所に出向く必要があります。
なお、調停でも解決できない場合は、審判に進むことになります。
審判では、調停のような話し合いはおこなわれず、裁判所が判断し決定する形です。
ただし、審判の場合も裁判所を利用するための労力と時間がかかるため注意しましょう。
このように、寄与分を主張してもスムーズに認めてもらえるとは限らず、調停・審判へ移行するケースも少なくありません。
そのため、話し合いの難航が予想される場合は、調停に進む前にまずは弁護士に依頼して、遺産分割の示談交渉を進めてもらうのが望ましいといえるでしょう。

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相続時に寄与分として認められるための要件

相続時に寄与分として認められるための要件

寄与分を主張したとしても、一定の要件を満たさなければ認められません。
ここでは、寄与分として認められるための5つの要件について解説します。

寄与分の5つの要件

寄与分を受け取るためには、以下の5つの要件を満たしている必要があります。

  • ●相続人であること
  • ●亡くなった方の財産を増やす・維持するなどに貢献した
  • ●特別な寄与をおこなった
  • ●無償で貢献した
  • ●一定期間以上貢献した

寄与分を主張できるのは、原則として相続人に限られます。
そのため、相続人ではない親戚の方が寄与分を主張しても認められないため注意しましょう。
ただし、相続人と同一視とされる関係性(相続人の配偶者など)が主張した場合は、認められるケースもあります。
また、亡くなった方の財産に貢献した経緯があるかどうかも重要なポイントです。
たとえば、自宅で介護することにより財産を減らすことなく維持できたような場合です。
このような経緯がある場合は、日記などを付けておくと認められやすくなるでしょう。
さらに、無償で一定の期間以上貢献していることも要件の1つです。
なお、事業を手伝った際に、対価を受け取っていた場合は認められないため注意しましょう。

寄与分として認められる代表的な5つの型

寄与分が認められる主な行為は、以下の5つです。

  • ●亡くなった方が経営する事業の手伝いをしていた
  • ●亡くなった方へ金銭の出資をしていた
  • ●亡くなった方に生活費を給付した
  • ●亡くなった方に対して介護をおこなっていた
  • ●亡くなった方が所有する財産を管理していた

なお、上記は寄与分として認められる主な行為ですが、それぞれ対価をもらっていないことが条件となっています。

寄与分に時効はある?

以前は、寄与分については時効は設けられていませんでした。
しかし、2023年4月1日の民法改正により、請求期限が相続発生から10年以内となりました。
10年を経過すると寄与分は認められず、法定相続分に従って遺産分割することになるため注意しましょう。

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相続人以外にも寄与分が認められる?「特別寄与料」とは

相続人以外にも寄与分が認められる?「特別寄与料」とは

これまでは、寄与分は相続人にしか認められない制度でした。
しかし、2019年の民法改正により、相続人以外の親族の方でも「特別寄与料」として認められることになりました。
ここでは、特別寄与料について解説します。

特別寄与料とは

相続人以外の方が、亡くなった方の生前に貢献していたというケースもあるでしょう。
たとえば、亡くなった方の長男は何も貢献していなかったけど、長男の妻が貢献していたということがあります。
そのような方は、相続人ではないという理由から、以前は寄与分が認められていませんでした。
しかし、それでは不公平ということで、2019年7月以降の相続については、寄与分を主張できるようになったのです。
これを「特別の寄与」といい、ほかの相続人の方に金銭を要求することができます。

特別寄与料が認められる範囲

特別寄与料は、相続人以外のすべての方に認められる制度ではありません。
請求できるのは、亡くなった方の親族のみに限られます。
つまり、友人や知人がどんなに貢献していたとしても主張することはできません。
なお、親族とは、6親等内血族と3親等内姻族のみです。
自分のはとこや自分の妻の甥・姪まで含まれることになり、親族であれば広い範囲まで主張することができます。
ただし、内縁関係にあった場合は認められないため注意しましょう。

特別寄与料の請求期限

特別寄与料を主張したい場合は、相続人に対して特別の寄与の度合いに応じて金銭の請求をすることになります。
ただし、相続人全員でおこなわれる遺産分割協議にくわわるわけではないため注意が必要です。
特別寄与料を請求したい場合は、家庭裁判所に申し立てなければなりません。
期間は、相続の開始および相続人を知ったときから6か月および、相続開始のときから1年以内です。
相続人がおこなう遺産分割協議が済むのを待っていたら、請求期間が過ぎていたという事態にならないように注意しましょう。

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まとめ

寄与分は、亡くなった方(被相続人)の生前に貢献した度合いによって、相続分以上の財産を受け取ることができる制度です。
ただし、寄与分が認められるには、無償で一定期間以上財産の維持や増加に貢献していることなど、5つの要件を満たす必要があります。
また、相続人の妻など相続人以外の方でも、亡くなった方に貢献していた場合は特別寄与料として主張することができるようになったため、該当する際は期限内に家庭裁判所に申し立てをおこないましょう。
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